酒造り体験の前に知っておくと役立つ基礎知識です。まずは一般的な酒造りの工程から始めましょう。
Step1.精 米
米粒の外側を磨くように削り白米を得ます。
Step2.麹造り
蒸した米にコウジカビの菌糸を生育させます。
Step3.酒母造り
酵母菌を培養します。
Step4.仕 込
原料を投入し攪拌する作業を行います。
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Step1.精 米
米の味を決める蛋白質や脂肪は米粒の外側に多く含まれます。それらの成分は酒の雑味の素。芯を使えばクリアな味の酒になります。
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Step2.麹造り
麹は米の澱粉を糖化する大切な役割を担います。麹室(こうじむろ)と呼ばれる暖かい部屋で約二昼夜かけて作ります。
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Step3.酒母造り
酵母菌がアルコールを作ってくれます。酵母菌の培養液を酒母(しゅぼ)と言います。伝統的な手法では完成まで約一か月、吟醸酒造りでは短期間で純粋な酵母菌を培養します。
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Step4.仕 込
原材料を発酵容器に投入し攪拌する作業を仕込(しこみ)といいます。一回に全量を投入せず、酵母菌の増殖に合わせて麹、水、蒸した米を足していくことで酵母菌の優勢を保ち、雑菌の侵入を防ぎます。そのため仕込は三回に分けて行います。(※この仕込作業を体験いただきます)
Step5.発 酵
発酵状況を把握し発酵管理を行います。
Step6.圧 搾
発酵液(もろみ)を酒と酒粕に分離します。
Step7.熟 成
殺菌してタンクで貯蔵し熟成させます。
Step8.瓶 詰
酒を瓶に充填し出荷に備えます。
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Step5.発 酵
麹が持つ糖化酵素が米の澱粉をブドウ糖に変え(これを糖化といいます)、酵母菌はブドウ糖ができたしりから食べてアルコールを生み出します。糖化とアルコール発酵が同時並行ですのでバランスを取る必要があり、発酵管理を行います。
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Step6.圧 搾
自動圧搾機を使うのが主流ですが、布袋を使う伝統的な方法も健在です。布目を越えて垂れたものが酒、残ったものが酒粕です。
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Step7.熟 成
圧搾したままの酒(生酒)は常温では腐敗します。そこで約60度の低温殺菌を行い、タンクに密封して常温で貯蔵し熟成させます。酒は角が取れ円やかになります。一方、生酒や瓶詰状態で火入を行い冷蔵貯蔵して出荷する酒は熟成過程を経ません。それは搾りたての新鮮な風味を残すためです。
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Step8.瓶 詰
熟成を経た酒は順次瓶に詰め、出荷されます。生酒は圧搾直後に瓶詰めし、冷蔵貯蔵し冷蔵庫から出荷されます。生酒を瓶詰めした後に火入を行い冷蔵貯蔵したものも同様です。
酒造り体験:体験内容
お酒造り体験作業内容
酒造り体験では、清酒製造工程のStep.4 仕込を行います。
仕込は、酵母菌の優勢を保つために酵母菌が増殖するのに合わせて3回に分けて行います。
これを三段仕込と言います。
酒造り:三段仕込
①添仕込(そえじこみ)
糖化させた米麹、活性化させた酵母、そして水をタンクに入れ攪拌します。仕込の一段目、醪(もろみ)の最初の状態です。
踊(おどり)
踊とは酵母菌の増殖を待つ期間です。柳町醸造所では、踊を三日間として十分に酵母菌を増やします。
②仲仕込(なかじこみ)
添仕込みの4日後に、蒸米、米麹、水を加えます。仕込みの二段目です。
③留仕込(とめじこみ)
仲仕込みの翌日、さらに蒸米、米麹、水を加えます。仕込みの三段目です。
酒造り体験作業内容
体験作業をご紹介します。体験いただくのは仲仕込、もしくは留仕込です。
吸水試験・吸水
米が目標吸水率に達するまでの吸水時間を試験によって求めます。吸水時間が解ったところでストップウォッチを使って正確に吸水。
蒸 米
決められた蒸気量で決められた時間、米を蒸します。
放 冷
蒸しあがった米を冷まします。最初は粗くほぐし、冷めるに従って塊がなくなるまで細かくほぐします。
投入・撹拌
先ず麹と水を投入し攪拌。そこに冷めた米を投入し攪拌します。最後は温度を測って終了。