今宵の晩餐 vol.30 牡蠣の炒め煮

投稿日:2025年1月11日

 皆さん、こんばんは。六代目当主の中谷正人です。

 連載の三十回目。家飲みの楽しみを分かち合いましょう。

 明けましておめでとうございます。今年もお付き合いの程、宜しくお願い申し上げます。

 正月気分がさめやらぬ今の時期、寒波がやってきました。お節料理も数の子と黒豆が残るのみ。体の温まる酒肴(しゅこう)を作るとしましょう。

 スーパーには今が旬の生牡蠣が並んでいます。加熱用と書いていますので煮るか、炒めるか。昨年来、野菜は値が上がっています。色目のある野菜を合わせようと売り場を見ますと季節外れのオクラ。フィリピン産とあり価格も手ごろ。中国産の筍(たけのこ)水煮も価格高騰の影響から外れています。平茸を加えて牡蠣の炒め煮に決定です。

主役の酒

清酒 萬穣 大吟醸

 正月ということで高級酒を選びました。本社で醸造をした最後の年の大吟醸を冷蔵貯蔵したものです。

アテ

牡蠣の炒め煮

 先ずは下ごしらえ。オクラと筍をスライスして、平茸は一本ずつにほぐします。牡蠣はザルで水切り。生姜とニンニクは細めに切っておきます。ボールにカップ一杯の水、オイスターソース大匙一杯、片栗粉と醤油適量を入れかき混ぜます。ここまで約5分。

 中華鍋(フライパンも可)に油と生姜、ニンニク、赤唐辛子の輪切りを入れ火を付け、香りが立ったら牡蠣を投入。1分ほど炒めたら野菜を加えて更に1分炒め、ボールの中身を加えて2分煮れば完成です。

晩餐

 今宵も家内と一緒に晩酌(ばんしゃく)です。

 牡蠣の優しい良い香りが湯気と共に立ち昇っています。先ずは適温に燗を付けた大吟醸。甘い香り、きめ細やかな優しい味わいが口の中に広がって胃に落ちていきます。そして牡蠣。プリンとした締まった身を噛むと旨みがじゅわっと出て幸福感に包まれます。そして燗酒。口の中に残った牡蠣の味と混じり合い、増幅された旨みが広がります。そしてもう一杯。これは爽やかです。

 筍、オクラ、平茸も牡蠣の旨みに包まれています。酒をゴクリ。牡蠣、そして酒。やはり旨い!今宵も満足です。

ではまた次回。