皆さん、こんばんは。六代目当主の中谷正人です。
連載の二十一回目。家飲みの楽しみを分かち合いましょう。
謹賀新年。とは言え元日の北陸地震、翌日の航空機事故、小倉の大火と不幸なできごとで幕を開けました。先ずは被害を受けられた方々にお見舞いを申し上げますと共にお亡くなりになられた方々のご冥福を祈ります。ただ、今年の十二支は辰、干支は甲辰(きのえたつ)。中国では龍騰虎躍(りゅうとうこやく)、龍が飛び立ち虎が躍り上がる躍動の年とされています。干支は旧暦に基づきますので2月10日の元日以降、良い年になることを期待します。
正月三が日はおせち料理をいただきました。体は違う味を求めています。中華風の豆腐の煮物で気分転換です。
主役の酒
清酒 大和郡山 中谷 (2023BY 10本目の酒)
酒の発酵は酵母菌次第。正月三が日の作業は避けたいところですが、2日に初しぼりを行いました。発酵経過は緩やかで、穏やかで香り高い仕上がりです。これを合わせることにしました。
アテ
豆腐の煮物
料理番組で知った中華風の豆腐の煮物が我が家に定着しています。干しエビの戻し汁の旨みが豆腐を絶妙な一品に昇華させてくれます。
簡単にできる料理ですが、一つの準備作業だけは予めやっておく必要があります。それは2時間ほど前までに乾燥むきエビを20匹ほどカップ一杯強の水に漬けて戻しておくことです。湯を使って時間短縮もできますが、味の深みに影響します。
さて調理。ニンニクと生姜の細切りを中華鍋(もしくはフライパン)を使って大匙2杯ほどの油で熱します。1分ほどで香りが立ったらそこに二等分の長さに切ったエノキダケを適当にほぐして敷き、その上に細長く切った一丁の豆腐を載せます。縦横それぞれ8等分に包丁を入れれば良いでしょう。二分くらいでエノキがしんなりし豆腐がほんのりと温もります。そこにむきエビを汁ごと入れて煮ます。
煮立ったら5センチくらいに切った青ネギを載せ、醤油大さじ3杯を入れ、好みで胡椒を振り、水溶き片栗粉を流し込んで大雑把に混ぜてトロミが付いたら出来上がり。炒め始めてから約10分です。ごま油を振りかければ風味が向上します。
晩餐
今宵も家内と一緒に晩酌(ばんしゃく)です。
先ずは今年最初の新酒生酒から。暖房の効いた部屋で飲む冷酒は喉に沁み通ります。そして豆腐。エノキと一緒に匙ですくって一口。旨い!干しエビの風味を醤油が引き立て、それがしっかりと豆腐にまとわりついています。そして酒。口に残ったトロミが生酒の酸味で爽やかに流され、胃に落ちて行きます。
豆腐、ネギと生姜も一緒に一口。熱い干しエビの旨みが口中に広がります。そして生酒をゴクリ。爽やか!干しエビの余韻が酒と混じり合います。そしてもう一口の酒。
匙いっぱいにすくい、豆腐を楽しみます。そして酒。やはり爽やか。今宵も満足です。
ではまた次回。