VOL.73 数える単位

投稿日:2002年7月08日

数える単位

 注がれた酒は「」、豆腐は「(ちょう)」、食パンは「(きん)」、薄い物は「」。動物は「」、でもウサギは鳥と同じく「(わ)」。タンスは「竿(さお)」・・・と教わりましたよね。

 中国でも多くの量詞(数える単位)が使い分けられていますが、ちょっとおもしろいこともあります。

1.ビールが10トン

 瓶入りの場合は「」、缶入りの場合は「」ですが、一般には重量で表します。「夕べは白酒(中国焼酎)を一斤飲んだ」とか話しています。「」は重さの単位で500グラムの事です。

 生産量の発表を見ていますと、白酒もトン(噸)、原油もトンです。世界的に原油はバレル、酒はリットルガロンという容積(体積)を基準にしています。

 水は1リットルが1キログラムですが、これら比重が異なる物の換算をしているのか気になるところです。

 因みに、キログラムは「公斤」、リットルは「公升」と言います。中国もメートル法を採用しているのです。

2.餃子も重さで

 日本で餃子は一人前、二人前。或いは一皿、二皿ですが、中国では使った小麦粉の重量で表します。包子(小さな中華マン)も同じです。

 「要多少?」(どれだけ要りますか?)

 「三」(150グラム下さい)

 となります。「」は「」の十分の一、50グラムのことです。

 小麦粉の量から個数を推測するのは至難の業です。これらは主食ですから食事の最後に出てきます。一斤も注文して、あまりの量に顔を見合わせることのないように、注意が必要です。因みに、一両の餃子は6個、包子は3個が目安だそうです。

3.一本の書物

 書物の事を日本語では「本」と言いますが、中国語で「本」は書物を数える単位です。従って、一冊の本のことは「一本書」となります。

 薄い物を数えるには「」、細長い物は「」を用います。これらの単位は名詞にも影響して、例えば「名片」(名刺)、「油条」(細長い揚げパン)のように単語を形成しているものもあります。

4.最近の傾向は

 「生ビール一杯と枝豆」関西空港に到着して時間つぶしに一杯です。

 「注文を繰り返します。生ビールが一つに枝豆が一つですね」若いウェイトレスが日本らしく丁寧に応じます。

 「あのねえ、こっちがちゃんと一杯て言うてるのに、わざわざ一つって言い換えんでもいいでしょ」

 このように日本では「一つ」「二つ」或いは「一個」「二個」と伝統の単位を使わない傾向にありますが、その点中国も同様です。

 タバコは「」(箱)、ペットボトルは「」ですが、何れも「個」を使えます。もちろん、生ビールも。中国にお出かけの際、試してみて下さい。

 生ビールは漢字三文字、「生」「口偏に卑」「酒」と書きます。一杯なら「一個(イーク)」、二杯なら「両個(リャンク)」、三杯なら「三個(サンク)」と言ってみましょう。調子に乗って何度もやると、飲み過ぎてしまいます。ご注意下さい。

つづく