注がれた酒は「杯」、豆腐は「丁(ちょう)」、食パンは「斤(きん)」、薄い物は「枚」。動物は「匹」、でもウサギは鳥と同じく「羽(わ)」。タンスは「竿(さお)」・・・と教わりましたよね。
中国でも多くの量詞(数える単位)が使い分けられていますが、ちょっとおもしろいこともあります。
1.ビールが10トン
瓶入りの場合は「瓶」、缶入りの場合は「缶」ですが、一般には重量で表します。「夕べは白酒(中国焼酎)を一斤飲んだ」とか話しています。「斤」は重さの単位で500グラムの事です。
生産量の発表を見ていますと、白酒もトン(噸)、原油もトンです。世界的に原油はバレル、酒はリットルかガロンという容積(体積)を基準にしています。
水は1リットルが1キログラムですが、これら比重が異なる物の換算をしているのか気になるところです。
因みに、キログラムは「公斤」、リットルは「公升」と言います。中国もメートル法を採用しているのです。
2.餃子も重さで
日本で餃子は一人前、二人前。或いは一皿、二皿ですが、中国では使った小麦粉の重量で表します。包子(小さな中華マン)も同じです。
「要多少?」(どれだけ要りますか?)
「三両」(150グラム下さい)
となります。「両」は「斤」の十分の一、50グラムのことです。
小麦粉の量から個数を推測するのは至難の業です。これらは主食ですから食事の最後に出てきます。一斤も注文して、あまりの量に顔を見合わせることのないように、注意が必要です。因みに、一両の餃子は6個、包子は3個が目安だそうです。
3.一本の書物
書物の事を日本語では「本」と言いますが、中国語で「本」は書物を数える単位です。従って、一冊の本のことは「一本書」となります。
薄い物を数えるには「片」、細長い物は「条」を用います。これらの単位は名詞にも影響して、例えば「名片」(名刺)、「油条」(細長い揚げパン)のように単語を形成しているものもあります。
4.最近の傾向は
「生ビール一杯と枝豆」関西空港に到着して時間つぶしに一杯です。
「注文を繰り返します。生ビールが一つに枝豆が一つですね」若いウェイトレスが日本らしく丁寧に応じます。
「あのねえ、こっちがちゃんと一杯て言うてるのに、わざわざ一つって言い換えんでもいいでしょ」
このように日本では「一つ」「二つ」或いは「一個」「二個」と伝統の単位を使わない傾向にありますが、その点中国も同様です。
タバコは「盒」(箱)、ペットボトルは「瓶」ですが、何れも「個」を使えます。もちろん、生ビールも。中国にお出かけの際、試してみて下さい。
生ビールは漢字三文字、「生」「口偏に卑」「酒」と書きます。一杯なら「一個(イーク)」、二杯なら「両個(リャンク)」、三杯なら「三個(サンク)」と言ってみましょう。調子に乗って何度もやると、飲み過ぎてしまいます。ご注意下さい。
つづく