カラオケ文化は日本に始まり世界に広まりました。中国も例外ではありません。専門店は勿論、多くの料理店にもカラオケセットがあります。時々、マイクを離さない「あなた」のような人も見かけます。今回は、中国の人々と歌う場合のお役立ち情報です。
1.日本語で歌う
日中共通で馴染みのある曲は、日本語で歌ったとしても喜ばれます。
例えば台湾出身のテレサ・テン、95年に亡くなりましたが、「愛人」「つぐない」「別れの予感」「時の流れに身を任せ」など、甘い歌声で次々とヒットを飛ばしました。
彼女はこれらを中国語でも歌う以外に、「襟裳岬」、「長崎は今日も雨だった」など多くの日本の名曲を中国語で歌いました。やがて、東南アジアや中国大陸の人々にも広まり、愛唱されるようになりました。中国で彼女は日本以上に親しまれています。
注:かつて中国では、台湾問題から「何日君再来」(いつの日君帰る)を禁じたが、現在では普通に歌われている。
2.中国語で歌う
他にも中国語の歌詞のある日本の歌は結構多く、「北国之春」(千昌夫)、「星」(「昴」谷村新司)、「瓢雪」(「花咲く旅路」原ゆう子)など。中には「花心」(「花」嘉納昌吉)、「譲我歓喜譲我憂」(「男と女」チャゲ&アスカ)のように中国の歌と信じられているものもあります。一部を日本語で歌うと意外性で受け、更に日中即席デュエットに持ち込めば一気に盛り上がります。
3.中国の歌に挑戦
次の段階は中国の流行歌です。新しい歌は、あまり馴染みがないと受けませんので、限られてきます。男性ヴォーカルでは「傷心的理由」、「心太軟」などがよく歌われます。
デュエット曲なら「心雨」、「在雨中」、「月亮代表我的心」の3曲が長い人気を誇ります。かつて大ヒットした「東方之珠」を歌うと、女の子から「古っるー!」と云われることがありますが、それも受けの内です。歌詞は「五千年の歴史」を持つ「黄色い顔」の民族を讃える歌です。
4.最高レベルへ
画面では、アジア系の若い女性が、米国人と全く変わらない衣装とアクションと化粧と表情で、米国的なリズムの歌を歌っています。店の女の子は、うっとりと見入りながら、
「私、この歌手が好き。台湾の高砂族出身なのよ。」
「アメリカそのものっていう感じで、好きになれないな。」私が返します。
「張恵妹って言うの。若い女の子達は、みんな好きよ。」
米国文化への盲目的な憧れを逆手に取って、彼女の歌と振りを練習しておけば、女の子に受けること請け合いです。
5.盛り上がったところで
中には日本人の居る席で抗日戦争の歌、様々な階層の人が居る席で文化大革命時代の歌を歌う人もいます。最初は気になりましたが、どうも懐かしがっているだけで他意はなさそうです。聞き流してしまいましょう。
ところで、「上記の曲はどれも・・・」という方もおられるはずです。そんな場合は、「ブルーライトヨコハマ」や「そして神戸」などの御当地ソングの地名部分を「上海」に替えて日本語でやって下さい。「上海」は日本語と中国語の発音が似ているので辛うじて受けますが、これはあくまでも最終手段です。
つづく