VOL.38 サイテー?の日

投稿日:1999年8月08日

サイテー?の日

 女の子が客の隣りに座ってくれるカラオケを中国で経営している御主人が話してくれました。日本から来た田舎の団体さんが、ここぞとばかり盛り上がり、「オッパイを見せてくれ」とか、「今はいているパンティーを3万円で買う」とか、円パワーを背景に日頃の欲求をストレートに爆発させていたそうです。

 旅行でタガがはずれてしまうのも困りものですが、ストレスの貯まりすぎで、張りつめていた神経の糸がプッツリと切れてしまう場合もあります。見たくないこと、聞きたくないこと、触れたくないこと、あって欲しくないことが集中的に続く日など、私は酒をしこたま飲んで寝ることにしています。

 さて、或る一日の始まりです。

07:40

 上海空港の国内線搭乗ゲート脇の売店では、売り子がだらしなくカウンターに肘をついています。その裏の喫煙コーナーでタバコを吸い始めると、スカートをはいたその女性のむっちりした太ももが見えます。

 何と、缶ビールの箱を積み重ねて、その上に座っているではありませんか。お尻で暖められたビールを飲めるという訳です。好まれる向きもあるでしょうが、口にするものの上に座るというモラルの低さに、私はうんざりです。

08:10

 搭乗案内の放送があり、搭乗ゲートを通りました。飛行機まで運んでくれるバスが来ません。目的の飛行機に乗る乗客全員がゲートを出たところで立ったまま足止めです。

 誘導の係員は、鼻くそを掘り始めました。公衆の面前にもかかわらず誰もそれに注意を払っている風はありません。マニキュアをした長い爪でしつこくやっています。大物が取れたようで、指を弾いて飛ばしました。次は、制服のリボンをいじり始めました。朝が早かったので、身繕いの時間がなかったのでしょう。ほどいて形を整えて、やっと気に入ったようです。

08:30

 飛行機の部品を交換するので待合室に戻るようにと連絡がありました。搭乗案内というものは、飛行準備を確認後に出すはずのものです。

 搭乗案内を流した直後に幸運にも故障が判明したのか、飛行準備とは関係なく出発30分前ということで機械的に流したものなのか、後者の可能性が高いような気がしました。

09:10

 いよいよ搭乗です。席は「B」、悪い予感がしました。案の定、三人掛けの真ん中です。しかも右側の男性は、貧乏揺すりの癖がありました。膝が触れると振動が伝わってきます。私は両脚の間をすぼめて耐え続けます。しかもそれに加えて、タバコの禁断症状が出始めました。

 一時間だけの遅れで目的地に到着、タチの悪い空港タクシーの運転手に当たり、行く場所が近すぎたとかで割り増し料金を要求されました。言い合いをして、半分だけ要求を飲みました。

 その後は、主として日本人が経営する取引先を回りましたが、遠方から来たその努力や商品に対して充分な評価をいただけないところが多かったようです。運がいいのか悪いのか、先入れ先出しの在庫管理ができていない店まで見つけてしまいました。

 結局、晩飯を食べた店で知り合った隣りのおっさんや店の従業員と盛り上がり、翌日はしっかり二日酔いでした。

 読者の皆さんも日頃のストレス管理とその発散方法には呉々もご注意下さい。特に中国では、過去の歴史的経緯と現在の密接な経済関係を踏まえ、日本人の悪いイメージだけは残さないように御願いします。

つづく