<蔵の様子>
4月24日、全てのもろみを搾り終えました。これで今シーズンの酒造りは一区切りついたことになります。この搾り終えた日を、酒が皆(みな)造れたということで皆造(かいぞう)と呼びます。
昔は蔵人が住み込みで働いていましたので、皆造の夜に酒蔵で慰労の宴席を設けました。今日では、皆の都合を尋ねて最も早い都合の良い日に宴を催します。4月30日、市内紺屋町の料理屋・翁(おきな)にて宴を開きました。
杜氏以下、酒造りに関わった者のみならず、瓶詰出荷のパートさんも含む全員参加で賑やかに料理を食べ、酒を酌み交わしました。全国新酒鑑評会に出品した萬穣(ばんじょう)大吟醸で乾杯。その後は大和郡山産山田錦で醸された純米吟醸酒「こをろこをろ」を冷酒で、最後は萬穣純米酒の燗酒でした。
翌日は5月1日。雲の多い日でしたが、時々晴れ間から明るい日が射します。風がやや強く、近所の家では元気よく鯉のぼりが泳いでいました。
5月8日、山田錦の苗床作りを行いました。種籾は、二日前に選別を行い、水に浸けてありますので、既に根が出る部分が少し白く膨らんでいます。
午後一時、作業開始。今年は約一町(10反=100a=1ha)作付けしますので145枚です。今年は助っ人にきていただきました。
そば処「御幸」(大和郡山市千日町37-1)を活動拠点にする「大和郡山の地酒を飲もう会」からは、会長の中村さんを始め4名の皆さん。それに大和証券奈良支店の石川さんです。
パレットには山土を入れ、種落とし機に乗せます。ハンドルを回すとコンベアが回り、種籾を播き、上から栄養のある顆粒状の土を掛けて出てきます。
土を入れる役、種落とし機に乗せる役、種落とし機を回す役、できた苗床を並べる役に分かれ、てきぱき作業が進みます。人数が多いとあっという間に半分、そして一時間ほどで完成です。後は鳥に食べられないように寒冷紗を掛けて出来上がりです。これから田植えまで毎日水遣りをします。
写真1:鯉のぼり(大和郡山市美濃庄町)
写真2:種落とし
写真3:パレット並べ
写真4:寒冷紗掛け
写真5:終了