甑(こしき)倒し vol.100

投稿日:2013年4月05日

<蔵の様子>

中谷酒造駐車場の桜(3月30日朝撮影)

 3月30日、真っ青な空に朝日が昇りました。朝のうちは五分咲き程度の桜が、午後には八分咲きから満開に。春を満喫です。

 翌31日、最後のタンクの仕込み作業を終了。仕込(しこみ)とは、原料を発酵容器、即ちタンクに投入し、攪拌する作業のことですが、これで今シーズンの仕込は完了しました。

 昔は米を蒸すにあたり、大釜の上に甑(こしき)と呼ばれる円筒形の枠を載せ、その中に米を入れて蒸しました。そして、全ての仕込作業を終えると甑を釜から外しました。これを「甑倒し」(こしきだおし)と言います。その夜は、作業の区切りがついたということで、慰労の宴席を設けました。

 一つのタンクの発酵日数は約30日。最後に仕込んだタンクのもろみを圧搾するのは4月末。それまでは、発酵が終わったタンクから順に圧搾していきます。酒造りの終了までもう少しです。

<今月の話題>

日本経済新聞3月28日朝刊コラム

 3月28日朝、日本経済新聞を読んでおりますと、一面のコラムに見覚えのある「本名徹次」のお名前。「本名」(ほんな)という珍しい姓は記憶に残ります。

 去る2月11日、弊社にベトナムから五名の来客がありました。その中に本名さんがおられ、名刺を頂戴していました。ベトナム国立交響楽団の音楽監督兼主任指揮者。小澤征爾さんに師事されたとか。有名度を実感すると共に、日本とアジアの為に活動されていることを嬉しく思いました。

 同コラム。ベートーベン第九交響曲で東アジアをつなぐ構想の一環で、「東京や北京など6都市の交響楽団が、指揮者と4人の声楽家を交代で招き、合唱団に日本人の有志を募る。第九大国である日本のアイデアである。」

 ハノイもその6都市の一つに選ばれており、本名さんが指揮されるとのこと。年末は商売柄、一年で最も多忙な時期にあたり、聞きに行くことはできませんが、成功を祈ります。

写真1:中谷酒造駐車場の桜(3月30日朝撮影)
写真2:日本経済新聞3月28日朝刊コラム